SNSを見る時間を決めてみた
気がつくとスマホを手に取っている。
何かを調べたいわけではない。通知が来たわけでもない。ただ、手が勝手に動いて、アプリを開いて、タイムラインをスクロールしている。
友達の旅行の写真。
同僚の昇進報告。
知り合いの結婚式。
インフルエンサーの丁寧な暮らし。
見終わったあとに残るのは、「私は何をしているんだろう」という感覚だ。
✦ ✦ ✦
SNSが悪いわけではない。やめる必要もない。
問題は、無意識に見ている時間が長すぎることだ。
意識的に見ているときは、情報収集だったり、友達の近況を知る手段だったり、ちゃんと目的がある。でも無意識に見ているときは、ただ時間が流れていく。そしてその間に、無意識のうちに比較が始まっている。
比較が起きているとき、自分のことを好きでいるのは難しい。誰かの「充実した日常」と、自分の「何もない日常」が自動的に並べられて、自分が小さく見える。
この比較は、自分から始めたものではない。SNSを開いた瞬間に、アルゴリズムが見せたいものを見せてくる。自分の意志で選んだ情報ではなく、向こうから流れ込んでくる情報。その中で自分の感覚が揺さぶられる。
自分の時間を守ることは、自分の感覚を守ることでもある。
✦ ✦ ✦
SNSを見る時間を決めてみた。
ルールはシンプルだ。朝は見ない。夜寝る前は見ない。見るのは昼休みと夕方の二回だけ。
最初の数日は落ち着かなかった。手がスマホに伸びる。開きそうになる。でも「今は見ない時間だ」と自分に言い聞かせて、代わりに目の前のことに集中する。
一週間続けたとき、変化に気づいた。
朝の時間が長く感じるようになった。以前はSNSを見ているうちに出発時間になっていたのが、見ないだけで15分くらい余裕が生まれた。その15分で、丁寧にコーヒーを淹れたり、ストレッチをしたりできるようになった。
夜も同じだ。寝る前にSNSを見ていたときは、比較で気分が落ちたまま眠りについていた。見なくなったら、布団に入る気持ちが穏やかになった。
✦ ✦ ✦
SNSを完全にやめる必要はない。ただ、「いつ見るか」を自分で決めるだけでいい。
明日から一つだけ試してみてほしい。
朝起きて最初にすることを、SNSを開くこと以外にする。
カーテンを開ける。顔を洗う。コーヒーを淹れる。何でもいい。朝一番の行動を、自分で選んだ行動にする。
SNSを見るかどうかは、そのあとで決めればいい。
大事なのは、一日の始まりを「流れ込んでくる情報」ではなく「自分の選択」から始めること。
——その朝を何日か続けたとき、自分の感覚が少しだけクリアになっていることに気づくはずだ。
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