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ビューティー STEP2

デパコス売り場で、BAさんに話しかけてみた日

 デパコス売り場で、BAさんに話しかけてみた日

デパートのコスメ売り場は、好きだ。でも、苦手でもある。

きれいに並んだ化粧品を眺めるのは楽しい。でも、BAさんが近づいてくると、急に落ち着かなくなる。「何かお探しですか?」と聞かれると、「いえ、見てるだけです」と反射的に答えて、そそくさとその場を離れてしまう。

買う気がないわけじゃない。むしろ、相談してみたいことはある。自分に似合う色とか、肌に合うファンデーションとか。でも、「ちゃんと買わなきゃ申し訳ない」「冷やかしだと思われたくない」という気持ちが先に立って、声をかけられない。

ある日、思いきって、自分から聞いてみた。「このリップ、試させてもらえますか?」

BAさんは、笑顔で、丁寧に色を塗ってくれた。似合う色を一緒に探してくれて、肌の悩みも聞いてくれた。その時間、私は確かに、一人の「お客さん」として、大切に扱われていた。


あなたは、なぜ「逃げて」しまうのか

BAさんから逃げてしまうとき、頭の中で何が起きているだろうか。

「買わなきゃ申し訳ない」「時間を取らせて悪い」「冷やかしだと思われる」。相手に気を使っているように見えて、その奥にあるのは、もっと別の感情だ。

「私には、丁寧に接客される価値がない」という感覚。

ちゃんと買う人なら、相談する資格がある。

でも、買うかどうかわからない私が、プロの時間を使わせるのは申し訳ない。

——そう思ってしまうのは、自分を「サービスを受けるに値しない存在」として、低く見積もっているからだ。

これは、おごってもらうとき「いいです」と言ってしまうあなたや、親切にされると申し訳なくなるあなたと、同じ根っこを持っている。差し出されるもの——ここでは丁寧な接客——を、「私には受け取る価値がない」と、無意識に拒否している。

でも、本当のところ、コスメ売り場のBAさんは、相談に乗るのが仕事だ。あなたが声をかけることは、迷惑でも何でもない。むしろ、あなたは「お客さん」として、丁寧に扱われていい存在なのだ。


「お客さんとして扱われる」を、受け取ってみる

自分から声をかけて、丁寧に接客してもらったあの時間、あなたは何を受け取っていただろうか。

リップの色を選んでもらっただけじゃない。「あなたは、時間をかけて向き合う価値のある人だ」という扱いを、受け取っていた。プロが、あなたのために、似合う色を真剣に探してくれた。あなたの肌の悩みを、ちゃんと聞いてくれた。

その「丁寧に扱われる」という経験は、思っている以上に、自分への見方を変える。

人は、自分を雑に扱っていると、雑に扱われることに慣れてしまう。逆に、丁寧に扱われる経験を重ねると、「私は、丁寧に扱われていい存在なんだ」という感覚が、少しずつ育っていく。

コスメ売り場で「お客さん」として大切にされることは、その練習の、いちばん身近な機会だ。買っても、買わなくてもいい。大切なのは、「私は、ここで丁寧に扱われていい」と、自分に許すこと。

そして気づくはずだ。丁寧に扱われることを受け取れる人は、日常のあらゆる場面で、少しずつ、扱われ方が変わっていく。それは、自分が変わったというより、自分が「受け取れる」ようになったということだ。


✦ ✦ ✦

次にコスメ売り場で、気になるものを見つけたら。

逃げる代わりに、ほんの少し勇気を出して、声をかけてみる。

「これ、試させてもらえますか?」

たった一言だ。でも、その一言は、「私は、お客さんとして丁寧に扱われていい」という、自分への許可になる。

BAさんが似合う色を探してくれる時間、その丁寧さを、「申し訳ない」ではなく「ありがとう」で受け取ってみてほしい。

買っても、買わなくてもいい。その日あなたが持ち帰るのは、リップ一本かもしれないし、何も買わないかもしれない。でも確かに、「私は丁寧に扱われていい存在だ」という小さな実感を、持ち帰ることになる。

それは、どんなコスメよりも、あなたを綺麗にしてくれるものだ。

PRIELLE編集部

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PRIELLE 編集

「あなたの価値は、あなたが決める。」をコンセプトに、 自己価値を高めたい女性のための情報をお届けしています。

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