自分の選んだもので、部屋も身体も満たされてきた
朝、目が覚めて、部屋を見渡す。
お気に入りの間接照明。好きな色のカーテン。ふわふわのパジャマ。手に取るカップは、自分で選んだお気に入り。鏡台の上には、自分が選んだコスメ。クローゼットには、「これがいい」で選んだ服。
身体に目を向ければ、丁寧にケアされた肌。少しだけ整えられた爪。健やかさを感じる体調。
すべて、自分が選んで、自分のために用意したものだ。
ある朝、ふと、思った。「私の毎日は、私が選んだもので、できているんだな」。
少し前までは、こうじゃなかった。なんとなく買ったプチプラ、誰かに勧められた化粧品、流行りで選んだ服。自分の選択じゃないもので、毎日が埋め尽くされていた。
それが、変わった。一つずつ、「これがいい」で選び直してきた結果、いま私の周りには、私が選んだものしか、ない。
そのことが、思っていた以上に、私を満たしていた。
「他人が選んだもの」に囲まれていた頃
これまでの自分の周りを、思い返してみてほしい。
服は、流行っているもの。コスメは、口コミで人気だったもの。インテリアは、誰かのインスタを真似したもの。仕事は、なんとなく入った会社。休日の過ごし方は、SNSで見た真似事。
これらすべてに、共通点がある。「自分が選んだ」という実感が薄いということだ。
流行っているから、人気だから、みんなが言うから。そういう外側の基準で、自分の生活を埋めてきた。だから、囲まれているものを見ても、「これは、私が選んだものだ」という愛着が、わかない。
そして、自分が選んだ実感がない環境にいると、自分の人生も、誰かに選ばれたもののように感じてくる。「これは、本当に私の人生なのか」という違和感が、いつもどこかにある。
服を着ても、「これ、本当に私の服?」。化粧をしても、「これ、私の好きな色?」。部屋でくつろいでいても、「ここ、本当に私の好きな空間?」。
その違和感が積もると、いつのまにか、自分の人生に対しても、よそよそしくなっていく。自分の人生なのに、自分のものだと思えない。これは、思っているより、深いところで自尊心を削っている。
「自分が選んだもの」が、自分を作っていく
逆に、自分が選んだもので毎日が満たされていくと、何が変わるだろうか。
部屋にあるものを見て、「これ、私が選んだんだ」と思える。鏡の中の自分を見て、「この服、私が好きで買ったんだ」と思える。手に取るカップ、つけるリップ、着るパジャマ。すべてに、「私が選んだ」という愛着がある。
すると、自分の毎日が、初めて「自分のもの」として感じられる。「これは、私の人生だ」という実感が、生まれる。
そして、自分の選択で満たされた環境にいると、自分の選択を、少しずつ信じられるようになる。「私が選んだものは、悪くない」「私の選択は、信用できる」。自分の判断への信頼が、ものを通して、育っていく。
これは、何より大事なことだ。自分の選択を信じられない人は、人生の大きな決断のときに、いつも揺らぐ。仕事を選ぶとき、住む場所を選ぶとき、人を選ぶとき。「自分の判断で大丈夫だろうか」と、不安になる。
でも、毎日の小さな選択を信じられる人は、大きな選択でも自分を信じられる。コスメ一つ、服一着の小さな選択の積み重ねが、自分という人間への信頼の土台になっている。
✦ ✦ ✦
部屋を、ぐるりと見渡してみる。
そして、一つずつ、自分に問いかけてみてほしい。
「これは、私が『これがいい』で選んだもの?」
クローゼットの中、化粧台の上、本棚の本、キッチンのカップ。一つずつ、見ていく。
もし「自分が選んだ」と胸を張れるものが、まだ少ないなら。これからの買い物で、一つずつ増やしていけばいい。
今日、何かを買うときに、「これは、自分が本当に『これがいい』と思ったか?」と、自分に聞いてみる。流行りでもなく、人気でもなく、「自分の好き」で選ぶ。
そうやって、自分が選んだものを、少しずつ増やしていく。
数ヶ月後、数年後。部屋を見渡したときに、ほとんどのものに「私が選んだ」と思えるようになっている。それは、自分の人生を、自分のものとして取り戻した、という静かな証だ。
毎日が、自分の選択でできている。その実感が、何より、人を強くする。
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