バッグを変えたら、姿勢が変わっていた
通勤バッグを、少しいいものに変えた。
それまで使っていたのは、何年も前に買ったプチプラのトート。布がくたびれて、底が少し汚れていた。「まだ使えるし」と、ずっと使っていた。
新しいバッグは、革製。シンプルだけれど、形がきれいで、持ち手の感触がよかった。値段は、いつものバッグの何倍もする。「もったいないかな」と思いながら、買った。
新しいバッグで初めて出勤した朝、駅のホームでガラスに映った自分を見て、少し驚いた。いつもより、姿勢がよかった。
バッグが軽くなったわけじゃない。むしろ、革のぶん、少し重くなっている。それなのに、背筋が伸びていた。歩き方が、少し変わっていた。
「バッグを変えただけなのに」と思いながら、その日の通勤は、いつもより少しだけ、機嫌がよかった。
あなたが持つものは、あなたの輪郭になる
なぜ、バッグを変えるだけで、姿勢が変わるのだろうか。
それは、バッグが、ただの荷物入れじゃないからだ。
毎日持つもの、いつも一緒にいるもの。それは、あなたの一部のように、あなたの輪郭を作っている。くたびれたバッグを持って歩いている人と、丁寧に作られたバッグを持って歩いている人では、自分が自分をどう見るかが、自然と変わってくる。
くたびれたバッグを持ちながら、心の中で「私もくたびれてるしね」とつぶやいている。新しいきれいなバッグを持ちながら、「これに似合う自分でいたいな」と思っている。バッグはものだけれど、それを持つあなたの内側にも、ちゃんと作用している。
これは、見栄や虚栄の話じゃない。あなたが何を持つかは、あなたが自分をどう扱うかの、いちばんわかりやすい表現だ。雑に扱われたバッグは、雑に扱われる持ち主を映している。逆に、丁寧に選んだバッグは、丁寧に扱われる自分を、毎日少しずつ作っていく。
姿勢が変わったのは、バッグが変わったからじゃない。バッグを通して、あなたが自分への扱いを、少し変えたからだ。
「毎日使うもの」から、変えてみる
買い物に投資するなら、優先順位がある。
たまにしか使わないものより、毎日使うものから。
毎日触れるものは、その分だけ、あなたに影響を与える。バッグ、財布、靴、ペン、メガネ、スマホケース。これらは、一日に何度も視界に入り、何度も手に触れる。だからこそ、ここに「これがいい」を一つ置くと、毎日に小さな満足が積み重なる。
逆に、特別な日のためだけのドレスや、たまに使うアクセサリーは、満足の頻度が低い。買った瞬間は嬉しくても、その後の日常はあまり変わらない。満足は、頻度で深まる。
だから、もし「ちゃんとした一つ」を選ぶなら、まず毎日使うものから。バッグでも、財布でも、靴でも。どれか一つ、本当に好きなものに変えてみる。
そして、それを使うたびに、「いいな」と思える瞬間が、一日に何度もやってくる。その小さな「いいな」が積み重なって、いつのまにか、あなたの空気を変えていく。
毎日使うものを大切に選ぶ人は、毎日の自分も、大切に扱っている人だ。
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毎日使っているもので、なんとなく「くたびれてきたな」と思いながら、変えていないものはないだろうか。
バッグ、財布、靴、定期入れ。
その一つだけ、本当に好きなものに変えてみる。
少し高くてもいい。一気に揃える必要はない。「これを毎日持っていたいな」と思える、一つだけ。
そして、それを使い始めた日に、ガラスに映った自分を、ちらっと見てみてほしい。姿勢が、ほんの少し変わっているかもしれない。歩き方が、ほんの少し違っているかもしれない。
その小さな変化は、誰にも気づかれない。でも、あなたは知っている。今日の自分は、好きなものを手にしている自分だ、と。
その実感が、毎日の機嫌を、少しずつ整えていく。
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