恋愛すると友達と会わなくなる自分に気づいた
気がつくと、友達からの誘いを断る回数が増えていた。
「ごめん、その日はちょっと……」。予定があるわけではない。彼から連絡が来るかもしれないから、空けておきたいだけだ。
土曜日は彼と過ごすかもしれない。日曜日も声がかかるかもしれない。「かもしれない」のために、友達との時間を後回しにする。そうしているうちに、いつの間にか自分の世界が「彼」と「彼以外」に二分されて、「彼以外」がどんどん小さくなっていく。
そして別れたとき、ふと気づく。隣に誰もいない。
✦ ✦ ✦
恋愛すると友達と会わなくなるのは、珍しいことではない。好きな人との時間を優先したくなるのは自然な感情だ。
ただ、ここで一つ区別してほしいことがある。
「彼との時間を大切にしたい」と「彼との時間以外が怖い」は、まったく違う。
前者は選択だ。自分の中に友達との時間も、一人の時間も、彼との時間もあって、そのバランスの中で彼を選んでいる。
後者は依存だ。彼がいない時間に自分を支えるものがないから、彼との時間にしがみつく。友達と会わなくなるのは、友達が嫌いになったからではない。彼以外の場所で自分を保つ自信がないからだ。
✦ ✦ ✦
この構造が危ういのは、恋愛が続いている間は問題に見えないことだ。
彼がいれば満たされる。彼との時間があれば幸せだ。友達がいなくても困らない。——そう感じている間は、何も問題がないように思える。
でも、関係に少しでもヒビが入ると、一気に崩れる。
彼と喧嘩した夜、話を聞いてくれる友達がいない。不安なとき、支えてくれる人が彼しかいない。彼との関係が自分の全世界になっているから、そこが揺らぐと足元ごと崩れる。
恋愛が苦しくなる原因の多くは、恋愛そのものにあるのではない。恋愛以外の自分の世界が、薄くなりすぎていることにある。
✦ ✦ ✦
友達に会わなくなっている自分に気づいたなら、それだけで十分だ。
次にやることは、シンプルでいい。
友達に、一通だけメッセージを送る。「最近どう?」でもいい。「今度ごはん行こう」でもいい。
彼との時間を減らす必要はない。ただ、彼以外の時間を一つだけ取り戻す。
あなたの世界は、一人の人間で埋め尽くすには広すぎる。その広さは、あなたの弱さではなく豊かさだ。